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[二〇一七年五月二十五日]
顕微鏡(中華製)を、買ってみた

大阪・日本橋のPC&ジャンク店で、珍しいものを見付け、後先を考えずに買って来た。
顕微鏡(TF-1200)というもので、“新品箱入り”のカメラ付かず品。(図1、図2<クリック> ¥1、980税込み)

実は、これに「USBカメラ」を付けたら、どんな風に見えるか?が、一番先に頭に浮かんだのだが...
結局、最後に分かったのは、これと同じことをやろうと思えば、もっと別の(コストパフォーマンスの良い)“やり方”が幾つかあったということ。
例えば、「カメラ付きの顕微鏡」や、「(より安価な)中古の標準顕微鏡」を探すなど。

付属のプレパラートやピンセットなどは、理科少年向けだろうけど、今の場合、サンプル作りなどは手数が掛かるので、使っていない。
ただ、「Silver Berry」の付属サンプルだけは、参考写真(図6<クリック>)を撮るのに利用出来たが。

取り付けられるようにした「130万画素USBカメラ」の効果は、微妙〜。
確かに、肉眼よりは見易くなるが、何を対象物にするか/どのような使い方をするかによって変わるだろうと思う。
対象物によっては、画像の分解能やコントラスト、それに拡大倍率や焦点深度などが、不適当かもしれない。
日頃、半田付け作業などでは、2〜3倍のルーペで十分だし、詳しく見る場合でも5〜6倍あれば用が足りるからだ。

この顕微鏡で、小さい孫達の興味を惹けるかどうか?だが、まだ、もう少し触ってみなければ!
どんな道具/材料にしても、先に、私自身が気に入るものでなければ意味が無いもんな。(笑)

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顕微鏡用カメラ

USBカメラは、手持ちのものを幾つか調べたが、一番視野が広く取れそうな(130万画素の)ELECOM UCAM-DLK130TRDを使うことにした。

これをどのように顕微鏡の接眼部に取り付けるか?を色々考えたが、例に依って「百均グッズ」を加工利用。
内側に「乳液入れポリ容器/ポリ筒」(外径40mmΦ)を、外側に「自転車用空気入れボンベ/ボンベ筒」(外径35mmΦ)を使い、長さは適当(≒55mm)に切った。
カメラのスタンドは、ビス&ナットを外して向きを入替え、固定柱として使えるようにした。

仕上がりは、叩き大工の作品(?)にしてはそこそこの出来だが、“映像の中心軸合わせ”の微調整が難しいので、上首尾とは言えない。(図4<クリック> 苦笑)

カメラ付加

搭載したカメラは、「固定ベルト」のビスは完全には絞めずにおき、内側のポリ筒と外側のボンベ筒の噛み合わせを調節して、動かない程度に固定する。(図5)

だが、その前に、目視で、調節の仕方に習熟しておく必要があった。
まず、倍率は最低にしておいて、“ピント合わせ”の勘を養った。
(いきなり高倍率から始めたら、まず対象物体が見付からず、ピントも合わせられず、最後にイライラが募って、放り出してしまいそうになった。苦笑)

対象物を真ん中に据えて、ピントを合わせてから、次に倍率を上げてみた。
高級な顕微鏡なら、対象物はほぼ同じ位置に見え、ピント調整だけで済むはずなんだが、この顕微鏡ではそうはならないようだ。(多少、スライド・グラスを動かさないといけない)
一旦、低倍率の方に戻って、対象物の位置を確認・調節してから、高倍率にする。これを幾度か繰り返した。

目視での習熟の後で、カメラを搭載して、画像/映像を確認。
(画像/映像ビューワとして、自作の「映像表示プログラム」を使ったが、他のビューワでも可能)
同じようなことを繰り返し、また同時にカメラの“首振り具合”も調整しながら、PC画面上で良く見える位置で保持・停止。
最後に、カメラの分解能を1024x768にしてピントを微調整し、黒い筋が、出来るだけ多く見えるようにしてみた。
画像は、付属サンプル「Silver berry scaly hair」を、倍率600倍で見たもの。(図6<クリック>

思ったこと

こうした顕微鏡が何に使えるか?どのように役立つか?
そして、孫達に見せる時に、どんな例を示してやれば、興味を持つか?を考えてみた。

科学館などに置いてある顕微鏡で、動植物の微細構造を見ても、それ程面白くは感じていないようだし、覗けるから覗くだけであって、何故顕微鏡を使うのか?などと考える前に、その「対象物」に飽きてしまうのが殆どだ。
だから、今は取り敢えず、拡大してみると肉眼とは違った模様が見えること、拡大するにはルーペなどがあるが、それよりもっと小さなものを拡大して見られるのが顕微鏡だと教える程度でいいだろうと思う。

私が、普段電子回路を弄る時は、精々2、3倍、詳細には6倍程度の倍率で拡大すれば、十分作業が出来る。
CPU・LSIの微細パターンを見た時も、「ブロック配置」さえ分かれば良かったし、特に高倍率で見る必要は無かった。
だから、今まで、500倍や600倍なんて無用だ!と思っていたのだが、デジカメ用の「液晶パネル(カラーTFT)」を覗いてみたら、結構ちゃんと見えた!(図7、図8<クリック>
うーむ、これなら孫どもは、興味を持つかな?

分離していた液晶用カラー・フィルタ

念の為、旧いガラケーをバラして、その「液晶パネル」(だけ)を見た。
分解した時、ぱらりと「黒い半透明シート」が分離したが、その時は、“これは、多分「偏光板」だろう”と思った。(図10<プッシュ>)
はて?「液晶パネル」は、カラー液晶のはずだが、何故か?どの画素も無色半透明だが?(図9)

通常は、“画素ズレ”しないように、「液晶パネル」と「カラー・フィルタ」とは、精密に“重ね合わせ”をしてから糊付けをして、一体化してあるはず。
なので、図7のようにRGB(赤緑青)3種のカラー画素が見えるはずなんだが?何故に、“無色半透明”なのだ?

もしや?と思い、「黒い半透明シート」を拡大してみたら、それが、「カラー・フィルタ」だった。(図11<クリック>)
(この「フィルタ」は、肉眼で見ると、「黒い半透明シート」にしか見えないが)

ふーん、最近では「カラー液晶」も、こんな作り方が出来るのか!と少し驚いた。
これなら、孫達も不思議がるかな?...いや、難し過ぎてダメかな?(苦笑)


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