[100311]

電流計&電圧計目盛を、改造しました

(ネット・オークションで、面白い?ジャンク装置を手に入れた(総費用\1,577)のですが、それの“改造噺”は別途とし、)今回は、その装置に付いていた電圧計%計(!)の目盛/スケール(左写真)を、改造しました。
(目安程度に使う物なので、目障りでなければ自作で十分!わざわざ新しく正規のメータを買い込むのも、勿体無いと思って)

以前、1個のメータで、“電圧と電流を共存させた目盛”に改変しましたが、今回は、(贅沢にも、別々に2個あったので、)それぞれを、フル・スケール60V目盛の電圧計と、3A目盛の電流計にしました。(左/上写真<クリック>)

これらの計器本体は、どちらもmax 1mAの電流計だったので、それぞれにシリーズ(直列)抵抗60KΩ、シャント/ブリーダ(分流)抵抗0.1Ω(=100mΩ)+シリーズ抵抗120Ωを付けて、狙ったスケールにしました。
(残念ながら、“選別したソリッド抵抗”でも少し誤差があるので、いずれは精密抵抗にすべきでしょうね)
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目盛板の取り外し
目盛板の作り変えは、板を外して“等倍コピー”を作り、それの画像加工をし、等倍印刷した紙を切り抜いて、元の目盛板(の裏面に)貼り付ける方法を採りました。

何はともあれ、目盛板を外すのですが、メータの前カバーを傷付けずに外す事と、メータ・ブロックを外す事に神経を使いました。
(“ブロック外し”は、後で補正抵抗を付け替えたりするためで、目盛板だけなら、“前カバー外し”だけで済む)

目盛板の摸作
取り出した目盛板(アルミ製パネル)の“目盛面”を、手持ちのスキャナ(300dpi)で読み取り。
それを“等倍画像ファイル(jpg)”で保存し、画像処理ソフトで加工しました。(2値化はせず、階調はそのまま残す)
因みに、階調を残さずに2値(黒白のみ)で加工したら、斜線がガタガタになりました。(ありゃまぁ!)

“メータ目盛用フォント”として、本来は適正なのがあるのかもしれませんが、今回はMS Sens Serifを使用。
元の“数字の傾き”は、再現しても意味が薄いので、全数字を“水平置き”で描き直しました。

印刷した目盛紙を、切り出して元のパネルに貼り付ける方法を、色々模索したけど、最後は、次の方法に落ち着きました。(左上写真<クリック>は、試行中の例)
 1.元のパネルを裏返して、その上に貼る準備
   (これは、剥がれ易い元の目盛印字を温存するため)
 2.“細い両面テープ”を、水平に上下2筋貼る
 3.目盛紙を大きめに切り出す
 4.目盛紙下部の半円状の箇所を、事前に切り抜いておく
 5.目盛紙を、目印にあわせて、パネルに貼る
 6.目盛紙の“はみ出た部分”を、パネルに合わせて切り取る
 7.?(見た目で拙ければ、やり直し!)


抵抗の選別と組み込み
この電圧計は、元々max 1mAの電流計で、max 12Vにするために内部に直列抵抗12KΩが入っていたのですが、今回max 60Vにするので、直列抵抗を60KΩにしました。

一番良いのは、値が精確な抵抗を買って来る事ですが、安直に手持ちの抵抗群の中から選別してみました。(左写真<クリック>)

やっと、60KΩに近いものを選んで取り付け。(左写真。しかし、値表示は50KΩなんですよねぇ♪)

表示値の確認
印加電圧に対して“電圧表示値”が、どの程度合っているか調べてみました。(左写真)

使用するテスタの精度も気になりますが、それにはほぼ合っているようです。(元来、この型のメータは、精度±2.5%だそうなので、それ以上は期待出来ないですね)

3つのメータで同じ電圧を見たら、それぞれ表示が最大5%ほど、違っていました。ま、こんなものか!?(左写真<クリック>)

電流計
電流計の方は、素直な分流方式にしようとすると、(殆ど手持ちの無い)極低抵抗が必要なので、少々厄介!
ジャンクPCの電源部から、外して取っておいたものを選別しました。(左写真)

この電流計の内部直流抵抗を測ってみると、約180Ωでした。
このmax 1mA計(内部抵抗180Ω)を、max 3A計に変えるには、分流抵抗を≒180/3000=0.06Ω(=60mΩ)にする必要があります。(実は、端数が付くのですが、小さいから省略)

探したけど、ちょうど60mΩが無い!...100mΩなら有る!で、止むを得ず、電流が流れた時に100mΩの両端に発生する電圧を測る“電圧差測定方式”に変えました。
つまり、0.1Ω(=100mΩ)だと3A流れた時、両端の電圧差は0.3Vになるので、この電圧差で電流1mAを流せれば良いわけで、流すのに適した抵抗値は、次の計算式。
  抵抗値 = 0.3V/0.001A
つまり、300Ωにしておけば良いのですが、電流計ブロックの内部抵抗が180Ωだから、直列に120Ωを付ければ、ちょうどその300Ωになるってわけです。
それで、作った分流器が、左上写真<クリック>。

実装と試験
分流器を極力薄くなるように作って、底に貼り付けるようにしたつもりですが、底が支えてメータ本体が少し浮き上がる感じがして、何度も半田付けをやり直しました。(左写真)

表示値の確認は、1Ωのセメント抵抗を負荷にして、1Aから2.5A位までを(手早く)粗っぽく調べてみました。(左写真<クリック>)
大電流消費試験は、“焦げ臭くなる”ので、あまり好きではないです。f(-.-;)

結果は、まぁまぁでした!...?(精密級ではないって事です)
これでも、当面の役には立つ/十分だろうと思います。

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