[151026]
自動運転用電源を、試作した。(二台目)
時々、「借景ジオラマ(空中線路)」などでミニ電車を走らせているのだが、やはり走らせるだけでは物足りず、むしろその“走らせ方”というか、「走らせる為の電源」の方に興味が湧いて来た。
どんな回路方式にした方が面白そうか?どんな回路なら自分で作れるか?に熱を上げ出したってわけだ。
前回の電源製作では、手元にある(ディスクリート)トランジスタ類を使ったが、今回は、オーディオ・アンプを使ってみた。(図1の左側)
ケースとして、KATO No200 Power Packを、また買い足した。(¥1,201送料、手数料込み)
ICは、LM1875T(電源60Vまで対応、20W出力)だ。(\1,035消費税・送料・手数料込み)
その他、色々なモーターコントローラICも市販されているが、それはまた次回!
今回は、手動制御用VR(可変抵抗器)も、付け足した。
制御用パソコン無しの時でも、手動で走行操作が出来るようにしておくべきだと思ったから。
素敵!と思ったのは、TI(Texas Instruments)社が(無償で)提供してくれているシミュレーション・ツールTina-TIだ。(図2<クリック>)
これは、”自分で考えてみた回路”を、半田付け試作せずに試して見ることが出来るスグレモノ。
(慣れるまではイライラの連続だったが、)何とか慣れて、便利に使わせて頂いた!感謝!<(_"_)>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試行錯誤
回路は出来るだけシンプルに!という“一種の手抜き発想”で、考えてみた。
簡単な回路でも、実際に試作してみないと、思い通りの働きをするかどうか、分からないのが自作ブツだ。(苦笑)
暫く、試作するか?どうしようか?と迷っていた時に、ふと、世の中は進んでいて、もしかしたら「フリーのシミュレータ」などが出回っていないだろうか?と思い付いた。
探したら、あった!日本語版Tina-TI_Japanese日本語版は無償だそうな♪
早速、ダウンロードさせて貰って組み込んでみた。
使い方などは、ユーザーズガイドを拝見しながら、試行錯誤。
「回路図エディタ」は高機能なせいか、どうも使い難かったが、シミュレーションや結果表示などは、素早い!
で、考えた回路を描いて、「仮想ジェネレータ」から信号を出して、その出力波形を「仮想オッシロスコープ」でみた。(図3)
「スイッチ」の切換は、マウスカーソルで「スイッチ」をクリックすれば、“トグル動作”をさせられるし、その結果の出力波形がパタパタ反転するのが見えるので、大変便利だ!
「出力計VF2」は不必要で、「VF1端子」があれば、それをプローブとして「仮想オッシロ」の入力に出来ることを、後で知った。(図4<クリック>!)
採用回路は?
最初に考えていた回路で、ほぼ望みの正負出力が得られることが分かったが、さて?この「スイッチ」を手動ではなく、自動にしたいが、どうするか?
2チャネルのオーディオ出力の他方を使えば、出来るだろうと思うが、適当な「アナログ・スイッチ」は入手出来るか?など、問題がある。
それに、出力波形の底の浮き上がり(浮き下がり?)も気になる。
高々、0.6V程だが、これは通常の「ダイオード」を使うからで、これを「ショットキー型」にすれば、改善出来るはず。
それやこれやで、回路をもっと単純な方式にして、半波整流用のダイオードも「ショットキー型」に変えた。(図5)
それで、確認が出来たので、大阪・日本橋で安価そうな「ショットキー・ダイオード」を沢山買って来た。
今回必要なのは2本だけだが、今後は、これも(ゼロ閾値ダイオードとして、)ばりばり使ってやろうと思って!
(図6<クリック>...尚、「ツェナー」は間違い記入で、正しくは「ショットキー」!)
パワー・アンプLM1875T
単にミニ電車を走らせるだけなら、市販の「モーター・コントローラ」を使う方が簡単だったかもしれない。(図8<クリック>)
今回は、パソコンのオーディオ出力を使うこと、もしミニ電車を音楽電圧(?)の乗せて走らせるなら、やっぱ、「オーディオ・アンプ」でしょ!?ということで、LM1875Tを使ってみた。
(通常のモーター・コントローラも、一度使ってみたいと思っている)
でも、こやつの足ピン間隔は、標準基板の孔ピッチと合わず、また、足ピンも太過ぎるので削って、無理して乗せる羽目になった。(図7)
今の処、回路には発振防止対策や、周波数特性改善などの処置はしていないが、特に問題は無さそう。
(いや!後でマイナス電源側に47μF,35Vを入れないと、3端子レギュレータの自己発振が止められない事が判明し、その処置をした)
回路構成
前回は、電源としてトランスの出力を整流して無安定化のまま使ったが、今回は3端子レギュレータを使って安定化した±12Vを使うことにした。
「パワー・アンプ」には電源耐圧の高いものを選んだので、電源電圧は±25Vそのままでも良かったのだが、もしも、±25Vの両方が同時に掛かると50Vにもなり、通常のトランジスタや電解コンデンサを使っていると、耐圧が足りなくなる恐れがあるからだ。(転ばぬ先の杖...というところ。苦笑)
また、電源を下げて安定化させた他の理由は、あまり高い電圧では、手動走行用として使い難い為だ。
それに、手動操作幅(固定/可変抵抗比に依存)は、結構シビアで、値を色々変えて試さないといけなかった。
これは電車の“動力部の性能”にも依るようなので、手持ち車両の種類でこの辺りかな?と探りながら設定してみたが、まだ満足はしていない。
尚、手動操作時には、パソコンからのオーディオ入力用プラグは、抜いておかないといけないようだ。